治療を休んでいる間も、
周りからは耳の病気は急いだ方がいい、と言われていた。
それでも、治療に前向きになれず数ヶ月が過ぎていた。
病院通いに疲れていたし、
次に行く病院を探すところから始めなければならなかったから。
ストレスが軽減すれば、そのうち治るのではないかと期待もしていた。
それは完全に甘い考えだった。
ただ、右耳の具合は自分で時々気にかけていた。
再始動のきっかけは、
自覚症状が出始めた当初は電話の声がクリアに聞こえていたが、
音割れして聞こえるようになり、不快に感じるようになったことだ。
右耳で電話はとらなくなった。
悪化している、と思った。
5軒目の遠方の病院を再び訪れることにした。
勝手に治療を中断しておきながら、どの面さげて行けばいいのか。
憂鬱だった。