フルタイムでの仕事もある中で、
日常生活を送りながら治療をするということは、
私にとっては中々の負担であり、半年で気持ちが折れてしまった。
先生に断りを入れる訳でもなく、
誠に勝手ながら、しばらく治療を休むことにした。
治療を休んだのには、もうひとつ理由があった。
自覚症状から半年たっても、聴力の低下が見られないので、
考えすぎかもしれない、とも思ったからだ。
聞こえにくいものの、聴力検査の結果に変化はない。
日常生活を送ることもできる。
リラックスして過ごしているうちに、
ふと治ったりするのではないか、そう期待もしていた。
日常生活だけに集中して暮らせることが、どれほど有り難く幸せなことか。
処方された薬を飲みきった後は、
数ヶ月のあいだ、通院も服薬もやめて普通の暮らしを送った。